コスミカリズムマネジメントの前提
5.社徳編
古今の成功者は、目に見える戦略力・戦術力・技術力・製品力と並行して、目に見えない社徳力も大切にしてきました。
【経営者の慈善活動】
◆松下電器創始者 松下幸之助
社会福祉・大学・博覧会への寄付など、生涯を通じて私財で行った慈善活動は530億円以上と言われている
◆サントリー創始者 鳥井信治郎
社会福祉法人を設立し、恵まれない学徒の為に奨学金を内密に提供
◆経団連名誉会長 土光敏夫
私財をつぎ込んで女子高・橘学苑の経営を行った
6.生きがい編
これからは社員の生きがいと働きがいを一致させる時代です。これまでの企業は、会社の経営方針や仕事の進め方においては、真剣に教育をしてきましたが、個人の人生経営(生きがいの創造)までには踏み込もうとしませんでした。
経営の実務を動かすのは人間である社員です。経営を成功させるためには業務の綿密な細分化と緻密な経営計画が必要です。
しかし、いくら経営面における教育を実施しても、それを動かす社員が自分の人生の中味と、それを成し遂げるための計画がなされなければ、自分のやっている仕事と自分の生きがいがつながらないために、本音のやる気は出ません。
つまり、自分の人生経営計画ができていない者が、経営を成功させることなどできるはずがないのです。
また、社員がこの会社で自分の生きがいが実現できるという確信がなければやる気にならないということです。
企業は社員の私生活まで管理するのは、どちらかというと避けてきましたが、これからの時代は積極的に人生経営にも協力していく必要があります。
7.霊性スポット編
これからの企業は、スピリチュアルスポット(霊的スポット)を作る必要があります。
例えば、アサヒビールの樋口会長は、スーパードライの急成長の秘密として、キリンビールの小西会長から先人を祀るようになって業績が伸びたという話を聞き、お客様や販売店の方々に感謝をお供えする場として「先人の碑」を建立してから業績が伸びたと言われています。
精神性というと、すぐに宗教といって、毛嫌いする人が多いですが、現代宗教のように、何かに頼ってすがるという意味のものではありません。最近では、会社の情報を売ったり、自社の商品を勝手に海外で売り自分の生活費にしたりと、精神風土が崩壊しつつあります。
経営の究極の目指すものとは、人類幸福の実現のため地域社会への貢献と、社員の精神性や霊性の向上に努めることにあります。それこそが栄えることの本質であるべきです。
以上、経営の本質論からしても、目に見えない領域を迷信と決めつけてはならないのです。むしろ、目に見えない領域を無視して近代経営学は発達したことが、負の遺産としての難問を山積させたのです。
日本文明・文化は縄文時代の太古から、万物に「目には見えないが偉大なるエネルギーや聖霊(ムスヒ)」が存在していることを察知し、日本独自の商法では、包丁供養・針供養なども経営の中に取り入れてきました。
それは自然への畏敬と感謝。そして、物や資源だけでなく、人そのものを大切にする心を養い、社会のルールや規範を守り、お互いが生かし合える環境を創ってきたのです。つまり祀祭政が三位一体で一致していたのです。
欧米型経済学・経営法が世界を席巻していますが、むしろ日本文明・文化の中にこそ、今世紀の経済学・経営学のあるべき理想があります。現代社会の欧米文明やそこに根ざした経営法をすべて否定するということではありません。
第二次世界大戦後、世界を驚かせた日本の復活劇は、日本文明・文化の根源が生かされた結果なのです。しかし、その良いものをすべて捨てている所に現代の日本の混迷があります。
日本文明・文化は十二単衣の文化です。日本文明・文化を取り戻し、欧米型経営の良いところを重ねていく。その根幹にコスミカリズムがある。その経営を目指すということです。
今、世界中で空前の日本ブームが起こっていますが、これはその予兆ではないでしょうか。