契の信道 政家憲法 第八条
刑を行うは、政で重きことなり。
以て、之を輙くおこなう則は、先皇の道を失う。
天の瞠る所は専ら、此れ政者にあらむか。刑は、
不孝を一と為し、不梯を二と為し、
不忠を三と為し、不議を四と為せ。
孝梯すたれ、忠義亡ぶ、忠義亡んで亂賊満つ。
無道の君者は、亂賊を悪んで乃れを刑するも、
之れ不孝を赦し置くは、刃を折と雖も治を得ず。
あに本亂れて其の末治まらむや。
しおきをおこなうは、まつりごとのなかでもっともおもきことなり。
もって、これをたやすくおこなうときは、さきつみかどのみちをうしなう。
てんのみはるところはもっぱら、これまつりごとをなすものにあらむか。しおきをおこなうは
ふこうをいちとなし、ふていをにとなし、
ふちゅうをさんとなし、ふぎをしとなせ。
こうていすたれ、ちゅうぎほろんでらんぞくみつ。
むどうのつかさらは、らんぞくをにくんでこれをしおきするも、
これふこうのともがらをゆるしおくは、やいばを、おるほどにしおきすといえどもおさむることをえず。
あにもとみだれてそのまつおさまらむや。
第八条
行刑は政治の重大事である。たやすく行えば先皇(昔のよい皇帝)の道を失ってしまうからだ。天が政治をする者を第二、不忠を第三、不議を第四とせよ。孝梯の道がすたれ、忠義が滅びれば、盗賊が乱舞して国中に蔓延するだろう。無道の役人は賊乱を憎んでこれを罰するが、不孝者を赦してそのままにしておく。このようにしては、いつになっても賊はなくならぬ。その本が乱れていては、末端は治まるものではない。

”処罰することは、政治の中でも最も重大なことである”と、ここでも太子は、処罰のことに触れています。そして、”処罰するときは、第一に不孝、第二に不梯、第三に不忠、第四に不議とせよ”とされ、不孝者の罪が一番重いとことを示しておられます。