[産業づくり]未来創造産業の推進と援助

産業づくりコラム

目を覚ませ日本人!食の安全と安心&廃棄と環境

偽装を招くもの
偽装が起こると、メーカー側のモラルを問われますが、これは氷山の一角で、探っていくと原因はそれだけではないようです。
検証してみましょう。
食品は最終的には「人が口にするもの」でありながら、いろいろな思惑の中で、そのベクトルはバラバラな方向を向いているようです。全体が満足できる安全・安心な食品生産は、どうすれば可能になるのでしょうか



メーカーの「もったいないパラダイム」
2000年の雪印乳業集団食中毒事件の例。
現場は酪農家が生産した生乳をとても大切に扱っていて、利益よりも、無駄にしては申し訳ないという意識が徹底していた。これに加えて「殺菌を徹底すれば安全だ」という過信が、汚染された生乳を使うことになり、食中毒に。


小売業者の都合
デパートやスーパーのテナントは、賞味期限が近づいたら廃棄するよう指導され、不条理に感じながらもどうする事もできない。また、廃棄分も考えて価格設定をしなければならず、結局、消費者も無駄な部分にまでお金を支払っている、ということになる。


投資ファンドの思惑
ポッカの「レモン果汁」の例では、「防カビ剤は不使用」の表示を変更しないまま、防カビ剤「イマザリル」が混入していたレモン果汁を販売。これはアドバンテッジファンドが、ポッカの実権を握った後に発生。
ファンド側が利益至上主義に走り、食の安全や公正な表示を後回しにした懸念がある。


消費者の都合
いつでも安く買えて、保存料無添加で国内産の新鮮な食品が欲しい!――
近年の偽装は、消費者の意識を変えました。
しかし、大量に安く輸入された食品に頼っていたこれまでと違い、自給率の低い日本では、国産品は割高に。それでも、安心で安全なものが良いという消費者も増えています。
反面、家計をやりくりする為には、原材料や単価を抑え、日持ちをよくする添加物が利用された安い食品も、選択せざるを得ない、というのが現実。


複雑な流通経路
三笠フーズの汚染米の例。
消費者の口に入るまで、沢山の業者が間に入っている。介在するごとに通常の米よりもかなり値段の安い汚染米の値段が上がり、最終的には新米とほとんど同じくらいの値段に。
消費者の目から、生産者の顔が見えない。


複雑な法律
偽装などの裏には、行政と企業の癒着や、管理体制などが問題になりますが、もう一つ食品の管轄官庁には
①農林水産省「JAS法(生鮮食品の原 産地を取り締まる)」
②厚生労働省「食品衛生法(添加物を取 り締まる)」
③経済産業省「不正競争防止法」
④公正取引委員会「景品表示法」
これら4つの法律の間で見逃されてきたケースなどもあり、今の法体系では、食品偽装が十分に防げないという死角も指摘されている。